血液によるがん検査キットの仕組みは?使い方やおすすめのがん検査キットも解説
がん検査は医療機関などで出向いて受診するのが主流でしたが、昨今は自宅で簡単に採血して、血液で実施できるがん検査キットの需要が高まっています。
ただ、「血液によるがん検査キットのメリットがわからない」「血液によるがん検査キットのおすすめを知りたい」といった悩みを抱えている方も多いでしょう。
本記事では、血液で癌のリスクを調べるがん検査キットの選び方やメリット、おすすめの製品などを解説します。
高リスク判定が出た場合の対処法についても掲載しているので、ぜひ参考にしてください。
血液によるがん検査キットとは?基礎知識を解説
まず、血液によるがん検査キットの使い方や癌の種類を確認していきましょう。
がん検査キットの使い方
血液によるがん検査キットやチェッカーには「ランセット」という専用の採血器具が付属しています。
ランセットは小さな針が先端に付いており、ボタンを押すだけでごく少量の血液を採取することが可能です。
そもそも採血するべき量が少ないので、医療機関などで使う注射器を想像していた方は、思いのほかコンパクトな器具に驚くかもしれません。
そして、具体的な手順は以下のとおりとなります。
- がん検査キットの付属品が揃っていることを確認する
- ランセットで血液を採取する(指先に器具を装着してボタンを押す)
- がん検査キットの指定箇所に血液を数滴垂らす
- 検査結果を見る
なお、がん検査キット・チェッカーによっては特定の機関へ検体(血液)を郵送するパターンもあります。
具体的なやり方は製品ごとの説明書に従いましょう。
検査結果の見方
がん検査キットの結果は、指定機関から郵送で送られてくる以外に、自分で器具に表示された判定を確認する製品もあります。
多くの場合は、反応カセットという器具に2種類のラインが設けられており、線の有無でリスクを判断することが可能です。
- C(コントロール)ライン:がん検査キットが正常に動作していれば線が表示
- T(テスト)ライン:線が表示された場合は高リスク判定
上記のとおり、高リスクかどうかを判断するうえでは「Tライン」を見ておけば問題ありません。
ただ、Cラインに線が出ない時は、血液の量が不十分であったり、がん検査キットが故障していたりすることが考えられます。
その場合は製造元に問い合わせて、具体的な対処方法を聞きましょう。
血液で検査する仕組み
血液で癌の有無を検査する仕組みは製品ごとに異なりますが、基本的には血中に含まれる物質を検知して判定します。
具体的には、タンパク質の一種である腫瘍マーカーや、マイクロRNAが挙げられるでしょう。
実際に検査対象となる物質は、癌種別や検査方法によって様々です。
しかし、各検査キットで最適な物質を採用しているので、ユーザー側で選ぶことはありません。
血液で検査できる癌の種類
がん検査キットや癌種別によって対象となる検体は変わりますが、血液の場合は主に以下のような癌を調べることが可能です。
- 乳がん
- 膵臓がん
- 前立腺がん
- 肝臓がん
- 肺がん
大腸がんは便、子宮頸がんは採尿が一般的ではあるものの、すべての癌種別を尿で検査する製品もあります。
詳細はがん検査キットによって異なるため、購入する前に調べてみてください。
血液による検査キットを使うメリット
次は、血液によるがん検査キットを使うメリットを確認していきましょう。
病院に出向く必要がない
血液による検査キットは、血液を指定の機関へ郵送するパターンや、その場で結果がわかる製品もあります。
ただ、いずれにしても病院へ出向く必要はなく、自宅にいながら完結します。
病院でがん検査を受ける際は、数時間〜半日程度かかることも珍しくないため、家事や仕事で手が空かない方には特に重宝するでしょう。
スピーディーに結果がチェックできる
血液を郵送するのではなく、血液でセルフチェックするタイプのがん検査キットであれば、5分〜15分程度で結果を知ることができます。
器具や手順もシンプルな仕様なので、手早く癌のリスクを知りたい方には大変おすすめです。
判定精度が高い
血液によるがん検査キットは、誰でも利用できる手軽さだけでなく、高い判定精度も備えています。
多くのがん検査キットは90%以上の精度を謳っており、中には医療機関と同等の設備・技術で血液を分析してくれるものもあります。
ただし、血液によるがん検査キットは癌の診断を行うわけではなく、罹患リスクの度合いを判定する製品です。
最終的には医師の判断を受ける必要があるため、あくまで早期発見や定期検査のサポートツールとして活用すると良いでしょう。
検査キットの選び方
血液によるがん検査キットを選ぶ際は、以下3つのポイントを押さえておくのがおすすめです。
- 判定の精度
- 検査にかかる期間
- 検査キットの料金
それぞれ詳しく見ていきましょう。
判定の精度
血液によるがん検査キットは、製品によって判定精度がやや異なります。
ほとんどのがん検査キットは90%以上の精度を謳ってはいますが、より信頼性の高い製品を選びたいなら、以下2つの項目を押さえておくと良いでしょう。
- 感度:正確に陽性と判定できる割合
- 特異度:正確に陰性と判定できる割合
基本的には、両方の数値が高いがん検査キットを選ぶのがおすすめです。
ただし、どんな製品も100%の精度を保証するものではありません。
判定結果を鵜呑みにしすぎず、実際の症状なども加味したうえで総合的に判断してみてください。
検査にかかる期間
血液によるがん検査キットを選ぶ際は、検査が完了するまでの期間も重要なポイントです。
たとえば、検査機関へ郵送するタイプは数日〜数週間かかるのが一般的なので、すぐ結果を知りたい方には少し物足りないかもしれません。
もしスピード感を重視したいなら、その場で結果がわかるセルフチェックタイプのがん検査キットを選ぶと良いでしょう。
がん検査キットの料金
血液によるがん検査キットの価格は、数千円から数万円程度まで比較的幅広いため、自分の予算に合った製品を選んでみてください。
ただ、あまりに安価ながん検査キットは検査可能な項目が少なかったり、精度が低かったりすることもあります。
そのため、価格だけでなく、がん検査キットのスペックや仕様などもきちんとチェックしなければなりません。
自宅でできる!おすすめがん検査キットを3つ紹介
次は、自宅でできるおすすめのがん検査キットを3つ解説します。
- DEMECAL(デメカル)
- ketsuken
- SUGUME
それぞれの特徴や料金を踏まえ、早期発見・治療に役立ててください。
DEMECAL(デメカル)
デメカルは、約20万個の利用実績を持つがん検査キットであり、厚労省から「管理医療機器」としての承認も取得している製品です。
p53抗体などの成分を分析し、様々な癌種別を検査することができます。
- 税込料金:12,100円〜
- 癌種別:食道がん、肺がん、肝臓がん、胃がん、大腸がん、卵巣がん、子宮がん、乳がん(女性用)、前立腺がん(男性用)など
- 検査方法:ランセットで採血後に検査機関へ提出
- 検査期間:検体(血液)提供から約1週間〜10日程
なお、乳がんや前立腺がんなどは性別によって検査キットが分かれています。
複数の癌種別を一度に検査し、早期発見・治療を目指す方は、事前に注意しましょう。
ketsuken
ketsukenは、女性が罹患しやすい11種類のリスクに対応したがん検査キットです。
検査項目は癌だけでなく、肝硬変や胆石症なども一度に検査できます。
- 税込料金:20,460円
- 癌種別:乳がん、卵巣がん、子宮がん(子宮頸がん・子宮体がん)、 大腸がん、肺がん、子宮筋腫、子宮内膜症、肝硬変、肝炎、胆石症 など
- 検査方法:ランセットで採血後に検査機関へ提出
- 検査期間:検体(血液)提供から約1週間〜10日程
注文から検査完了まで最短4日というスピード感も大きなメリットです。
なお、男性特有の前立腺がんなどを検査したい場合は、「男性向け検査」を購入しましょう。
SUGUME
SUGUME(スグミー)は、最短5分でリスク判定がわかる国内初のセルフチェックタイプのがん検査キットです。
ランセットで採取した血液を専用器具に数滴垂らすだけでリスク判定できるので、手軽さと検査スピードに関しては圧倒的なパフォーマンスといえるでしょう。
- 税込料金:単品4,980円、法人向け定期購入約10,000円/一人あたり年間(最低10人〜)
- 検査可能な癌:大腸がん、子宮頸がん、乳がん、膵臓がん、前立腺がん、膵臓がん、肺がん、胃がん
- 検査方法:専用器具で検体(血液)採取後にセルフチェック
- 検査期間:最短5分〜15分程度
1個当たりの価格が比較的安い点もおすすめできるポイントです。
しかし、癌種別ごとに検査キットが分かれているため、ある程度調べたい癌の目星をつけてから購入した方が良いでしょう。
血液によるがん検査キットでリスクが見つかった場合は…?
血液によるがん検査キットで高リスク判定となった場合は、その結果を持って専門の医療機関で診断を受けてください。
また、血液によるがん検査キットは100%の精度を保証しているわけではないため、仮に陰性判定であっても鵜呑みにし過ぎるのはおすすめできません。
違和感や痛みなどの症状を感じるなら、早めに医師に相談した方が早期発見・治療につながるでしょう。
なお、がん検査キットによっては専門の医療機関を紹介してもらえたり、相談窓口を設けていたりすることもあります。
かかりつけの病院などがなければ、ぜひ活用してみてください。
早期発見・早期治療が重要
がんは長らく不治の病とされてきましたが、現在は適切な治療を施すことで、十分に完治が見込めます。
しかし、そのためには早期発見と早い段階で治療を始めることが何よりも重要です。
事実、国立がん研究センターが公開している癌の10年生存率を見ると、初期段階のステージ1とステージ4で大きな差があることがわかります。
癌種別 | 10年生存率:ステージ1 | 10年生存率:ステージ4 |
---|---|---|
乳がん | 94.1% | 16.9% |
胃がん | 77.6% | 5.9% |
子宮頚がん | 91.6% | 19% |
膵臓がん | 31.4% | 0.6% |
前立腺がん | 93.7% | 37.4% |
女性特有の乳がん、子宮頚がんなどは、ステージ1の段階で早期治療できれば、生存率90%以上となっています。
膵臓がんは低水準ですが、ステージ0の時点で治療を始めれば、80%以上の確率で完治が見込めるのです。
そして、癌を早期発見するには、がん検査キットを定期的に実施し、こまめにリスク判定するのがおすすめといえるでしょう。
製品によっては、癌細胞がごく小さなステージ0の早期段階でも判定できます。
記事まとめ
血液によるがん検査キットは、専用器具で簡単に採血できるうえに、自宅にいながら検査が完結します。
定期的にがん検査キットを実施することで、癌の早期発見・早期治療につながるでしょう。
ただし、血液を用いるとはいえ、がん検査キットの精度は100%正しいわけではありません。
もし陰性だったとしても気になる症状が出ている場合は、早めに医療機関の診断を受けることが、早期発見・早期治療において重要です。
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