大腸がん検査キットの使い方、便秘の対処法、すべて解説します。
大腸がん検査キットを使うことになったけれど、普段から便秘気味で心配…
検査中に便秘になってしまったら…
大腸がん検査キットの使用にあたって、このような不安を感じている方は少なくありません。
便潜血検査の2日法は2日分の便を採取する必要があるため、便秘気味の方にとって大きな悩みになります。
しかし、事前の準備と適切な対処法を知っていれば、スムーズに検査を進めることができます。
この記事では、大腸がん検査キット使用前の準備から、検査中の対応まで、具体的な解決方法をご紹介します。
大腸がん検査キット使用中の便秘への対処法
大腸がん検査キットのほとんどが、2日法の便潜血検査を採用しています。
この便潜血検査の2日法では2日分の便を採取する必要がありますが、便秘になるとこれが大きな悩みになります。
ここでは、大腸がん検査キット使用中に便秘になってしまった場合にすぐにできる対処法から、下剤の使い方、自然な排便を促す方法まで、具体的に説明していきます。
便が出ない時の緊急対応
便が出ないときは、まずは以下のような方法を試してみましょう。
水分を十分に取る | 朝一番の白湯や、温かいハーブティーが効果的です。腸が刺激されて、自然な排便につながりやすくなります。 |
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体を軽く動かす | ウォーキングや腹部のストレッチなど、無理のない運動で腸を活発に動かしましょう。 |
お腹をマッサージする | お腹を時計回りに優しくさすると、腸の動きが活発になります。朝起きてすぐや入浴時がおすすめです。 |
トイレでリラックス | 焦らずに、ゆったりとした気持ちでトイレに座りましょう。スマートフォンの使用は控えめにするのがポイントです。 |
お腹を温める | 腹巻やカイロで優しく温めると、腸が動きやすくなります。入浴時にお腹を温めるのも効果的です。 |
これらの方法を組み合わせて試すとより効果的です。
一時的な対処法ではありますが、普段から続けることで便秘の予防にもなります。
特に水分を取ることと軽い運動は、日常生活に取り入れやすい習慣です。
また、便秘は精神的なストレスが原因になることも。
リラックスした気持ちで排便するよう心がけましょう。
使用できる下剤と避けるべき下剤
下剤を使う場合は、結果に影響を与えない種類を選ぶことが大切です。
便潜血検査は大腸からの出血の有無を調べる検査なので、腸を刺激する強い下剤は避ける必要があります。
使っても大丈夫な下剤 | |
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酸化マグネシウム | お腹の中の水分量を保って、便を柔らかくします |
乳酸菌製剤 | 腸内環境を整えて、自然なお通じを促します |
浸透圧性下剤 | 腸に水分を集めて、便が出やすくなるよう働きます |
避けたほうがよい下剤 | |
刺激性の下剤 (センナ、プルゼニドなど) |
腸を刺激して出血を起こす可能性があります |
浣腸 | 直接腸を刺激するため、検査結果に影響が出る可能性があります |
下剤は検査の1~2日前から使い始めるのがおすすめです。
ただし、長く使い続けると腸の働きが弱くなる可能性があるのでご注意ください。
また、人それぞれ体質や便秘の程度が違うため、どの下剤を使うべきか迷った場合は、薬剤師や医師に相談しましょう。
便秘時の検体採取と保管のコツ
大腸がん検査キットを使っているときに便秘になってしまい、便の採取に悩む方も多いようですが、コツを知っていれば硬い便や少量の便でも正しく採取できます。
ここでは、便秘のときの採取方法や、採った便の保管の仕方をくわしく説明します。
硬い便からの正しい採取方法
便が硬いと感じる場合は、以下のポイントを意識して採取してみましょう。
便を柔らかくする
まず、きれいなトイレットペーパーを水で軽く湿らせましょう。
これを便の表面に当てることで、採取しやすい固さになります。
複数の場所から採取する
便の表面だけでなく、中からも採取することが大切です。
様々な場所から少しずつ採ることで、より正確な検査結果が得られます。
採取棒の正しい使い方
採取棒は強く押しつけないようにしましょう。
優しくこするように使うのがコツです。
採取棒の溝に便がしっかり入っているか確認することも忘れずに。
適切な採取量について
採取棒の先から1cmくらいの量を目安に採りましょう。
多すぎたり少なすぎたりすると、検査の精度が落ちてしまう可能性があります。
便が固すぎるときの対処法
便が固くて採取が難しい場合は、清潔な割り箸などを使って少し細かくしてから採取してみましょう。
ただし、便を砕くときは周りに飛び散らないよう注意が必要です。
少量の便から採取するコツ
便秘で少量しか便が出ない場合でも、以下の方法で適切に採取できます。
- トイレットペーパーから採取する:便がトイレットペーパーに付着している場合、そこから直接採取します。
- 採取棒の全面活用:採取棒の先端だけでなく、側面も使って慎重に便を拭い取ります。
- 便の濃縮:水分が多い場合、トイレットペーパーで軽く水分を吸収させてから採取します。
採取後の保管方法と期限
採取した便を正しく保管することも、検査の精度を保つために大切なポイントです。
以下の点に気をつけましょう。
容器の密閉方法
採取したら、まずフタをしっかりと閉めましょう。
便が漏れると検査ができなくなってしまうので、フタがきちんとしまっているか確認することが大切です。
冷蔵での保管について
採取した便は、できるだけ早く冷蔵庫に入れましょう。
目安となる温度は約4℃です。冷凍は厳禁で、室温での保管も避けてください。
検査の精度に影響が出る可能性があります。
光と温度の管理
直射日光に当てないようにし、暗所での保管を心がけましょう。
また、提出までは急激な温度変化を避け、一定の温度を保つことが大切です。
提出期限について
一般的に便の採取から4日以内の提出が推奨されています。
ただし、検査キットの種類や医療機関によって期限が異なることがあるので、説明書や病院からの指示をよく確認しましょう。
採取日時の記録
いつ採取したかを忘れないよう、必ず記録を残します。
容器に採取日時を書き込んでおくと安心です。
特に2日分の便を採取する場合は、それぞれの採取日時をしっかりメモしておきましょう。
1日目は採取できたが2日目が出ない場合のQ&A
大腸がん検査キットを使っていて、1日目の便は採れたのに2日目が便秘で採れない…
そんなこともあるかもしれません。
2日分の便を採る検査では、続けて2日間採ることが望ましいのですが、便秘でうまくいかないことがよくあります。
ここでは、2日目の便が出ないときの対処法や、検査の精度を保つポイントを説明します。
2日目はいつまでに採ればいいの?
検査の精度を保つため、1日目の採取から4日以内に2日目の便を採ることが推奨されています。
ただし、検査キットの種類や病院によって期限が異なることがあるので、説明書や先生の指示をよく確認しましょう。
冷蔵庫で保管すれば4日程度は大丈夫ですが、できるだけ早く提出するのがベターです。
便秘で期限内に採れない場合は、病院に相談してみましょう。
期限を延ばせる場合もあります。
1回分だけでも検査できる?
2回分採った方が正確な結果が出るため、できれば2回分提出することをおすすめします。
ただし、多くの病院では1回分でも検査を行ってくれます。
ただし、精度が落ちる可能性があることは覚えておきましょう。
1回分しか提出できない場合は、必ず事前に病院に相談してください。
結果によっては追加の検査が必要になったり、次回の検査を早めに受けるよう言われたりすることがあります。
検査を延期した方がいい場合とは?
数日間全く便が出ない場合や、下痢や腹痛がある場合は、検査を延期した方がよいかもしれません。
また、便秘薬や下痢止めを使っているとき、生理中も検査結果に影響が出る可能性があります。
ストレスがたまっていると腸の調子も崩れやすいので、落ち着いた状態で検査を受けることをおすすめします。
迷ったときは、必ず病院に相談しましょう。
検査を延期する場合は、次の検査日や準備の仕方について、しっかり指示を受けてください。
こんなときは必ず医療機関に相談を
便秘対策を試してみても、なかなか改善が見られないこともあるでしょう。
以下のような状況でお困りの場合は、大腸がん検査キットの使用を一旦中断して、医療機関に相談することをおすすめします。
1週間以上便秘が続く | 長期の便秘は腸の健康に悪影響を与える可能性があります |
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血便や黒い便が出る | 消化管出血の可能性があり、早急な診断が必要です |
激しい腹痛がある | 腸閉塞や他の深刻な問題の可能性があります |
大腸がん検査キットの使用方法がわからない | 正確な結果を得るために、適切な使用方法の指導が必要です |
検査結果が陽性だった | 精密検査が必要となるため、速やかに医療機関を受診してください |
特に血便や強い腹痛などの症状がある場合は、検査結果を待たずにすぐに受診しましょう。
早めに医療機関を受診することで、適切な治療を受けることができます。
便秘の対処に迷ったときも、専門家に相談するのが安心です。
記事のまとめ
大腸がんは早期発見・早期治療が何より大切な病気です。
大腸がん検査キットでの便潜血検査は、その大腸がんを見つけるための大切な検査。
便秘になってしまっても、それを理由に検査を諦めないでください。
この記事で紹介した対処法を試してみても改善が見られない場合は、ためらわずに医療機関へご相談ください。
年に一度の大腸がん検査を習慣にすることで、あなたの健康を守ることができます。
検査に不安があっても、一人で悩まず、まずは医療機関に相談してみましょう。
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