肺がんの5年生存率・初期症状は?がん検査キットの精度についても解説
肺がんは罹患数が多く、ある程度進行すると5年生存率が著しく低下してしまいます。
そのため、がん検査キットを用いた早期発見が何よりも重要ですが、「肺がんに対応したがん検査キットがわからない」「おすすめのがん検査キットを知りたい」と悩む方も多いでしょう。
本記事では、肺がんの危険性やリスク判定が可能ながん検査キットを紹介します。
肺がんの患者数は全がん種のうち第2位
癌には様々な種類が存在しますが、その中でも肺がんは2番目に罹患数が多くなっています。
2019年の統計によると、年間で罹患した人数は12万人を超え、男性の罹患数は女性の2倍程度でした。
また、ステージごとの5年生存率は進行するほどに低下し、末期のステージ4では10%を下回るほどです。
したがって、肺がんの治療においてはがん検査キットを用いた早期発見・治療が何よりも重要と言えるでしょう。
なお、肺がんは「小細胞肺がん」「非小細胞肺がん」の2種類に分かれ、それぞれ5年生存率が異なります。
詳細については後で詳しく確認していきます。
肺がんの種類
肺がんは一括りで説明されがちですが、組織型によって大きく2つの種類に分けられます。
組織型 | 特徴 | 発生しやすい箇所 | |
---|---|---|---|
非小細胞肺がん | 腺がん、扁平上皮がん、大細胞がん | 腺がん:肺がんの半数程度を占める、扁平上皮がん:喫煙が原因になりやすく全体の30%程度を占める、大細胞がん:全体の数%と珍しい | 腺がん:肺の奥、扁平上皮がん:肺の入り口付近、大細胞がん:肺の奥 |
小細胞肺がん | 小細胞がん | 喫煙が原因になりやすい、細胞が小さい、成長速度が早く転移しやすい、全体の10%程度を占める | 肺の入り口付近 |
全体的に非小細胞肺がんの腺がんが多い傾向にあり、早期段階なら十分に完治が見込めるでしょう。
ただ、小細胞肺がんはステージ1の段階から5年生存率が50%を下回り、転移の可能性もゼロではないため、注意が必要です。
具体的な生存率については、次の見出しで確認していきましょう。
肺がんの5年生存率
肺がんは組織型によって2つの種類に分かれ、それぞれステージごとの5年生存率が異なります。
5年生存率 | 非小細胞肺がん | 小細胞肺がん |
---|---|---|
ステージ1 | 84.1% | 44.7% |
ステージ2 | 54.4% | 31.2% |
ステージ3 | 29.9% | 17.9% |
ステージ4 | 8.1% | 1.9% |
なお、非小細胞肺がんの全体的な5年生存率は47.7%程度ですが、小細胞肺がんは11.6%。
このことからも、小細胞肺がんの完治には早期発見が特に重要であることがわかります。
肺がんの初期症状
肺がんの初期症状は比較的確認しやすいものばかりですが、一般的な呼吸器系の病気にも共通する症状なので、肺がんかどうかを自分で判断するのは難しいでしょう。
肺がんの初期症状
- 咳や痰
- 血痰
- 息苦しさ
- 胸痛 など
なお、呼吸器科で診察を受けただけではすぐ癌と特定してもらえない可能性もあります。
がん検査キットも定期的に受検し、こまめにがんリスクを調べるのがおすすめです。
肺がんの原因はタバコが最多
肺がんに罹患する最大の原因として挙げられるのがタバコの喫煙であり、もちろん受動喫煙も癌のリスクを伴います。
タバコには数百種類の有害物質が含まれるため、恒常的に摂取して肺細胞の遺伝子が傷つくことで癌化するのです。
なお、喫煙した場合の発癌リスクは男性で約4.8倍、女性は約3.9倍にまで上昇するので、肺がんを予防したいのであれば、まずタバコを辞めるべきと言えるでしょう。
だから、がん検査キットでの定期的なリスク検査と早期発見が重要
ここまで解説した通り、肺がんは罹患数が多く、ある程度進行すると5年生存率が著しく低下する性質を持っています。
ただ、初期症状がわかりにくいため、実際の状態からがん検診の要否を判断していては、早期発見は叶わないでしょう。
そのため、肺がんの発見にはがん検査キットの定期的な受検が大変重要なのです。
ちなみに、昨今のがん検査キットはステージ1から検知することもできるので、より早期発見の確率を高められます。
通常のがん検診に比べて比較的リーズナブルなため、継続しやすいことも大きなメリットの一つと言えます。
自宅で簡単に検査可能!おすすめ肺がん検査キット5選
ここからは、自宅で簡単に検査できるおすすめの肺がん検査キットを5つ紹介します。
- がん検査キット①N-NOSE
- がん検査キット②DEMECAL
- がん検査キット③マイシグナルスキャン
- がん検査キット④SalivaChecker
- がん検査キット⑤ketsuken
それぞれ詳しく見ていきましょう。
がん検査キット①N-NOSE
N-NOSEは癌特有の物質に特殊な反応を見せる「線虫」を用いたがん検査キットです。
肺がんだけでなく、大腸がんなどの罹患数が多いがん種別にも対応しています。
すべての癌を網羅しているわけではありませんが、全身を一度にリスク判定したい方には特に重宝するのではないでしょうか。
- 税込料金:16,800円(定期購入15,800円)
- 検査可能ながん種別:口頭・咽頭がん、食道がん、肺がん、大腸がんなど15種類
- 利用方法:採尿容器に尿を入れて提携の検査機関へ郵送
- 検査に要する期間:検体提出から約4〜6週間後
N-NOSEは採尿で手軽に肺がんリスクを調べられるので、通常のがん検診より継続しやすい利点もあります。
がん検査キット②DEMECAL
DEMECALは、幅広い医療機関で導入されており、利用実績は20万個にものぼります。
厚生省から管理医療機器としての承認も得ているため、一定の信頼性も期待できるでしょう。
- 税込料金:12,100円〜
- 検査可能ながん種別:食道がん、大腸がん、子宮がん、乳がん(女性用)、前立腺がん(男性用)など
- 利用方法:ランセットで採血後に検査機関へ郵送
- 検査に要する期間:検体郵送から3〜5営業日
性別特化タイプではなく、通常のがん検査キットでも肺がん、大腸がん、胃がんを同時にリスク判定できるので、効率を求める方にもおすすめです。
参考:デメカルドットコム-郵送型血液検査サービス|DEMECAL
がん検査キット③マイシグナルスキャン
マイシグナルスキャンは、採尿で手軽にリスク判定できるがん検査キットであり、肺がんを含めた6種類の癌に対応しています。
なお、マイシグナルスキャンでは「マイクロRNA」というタンパク質の一種を用いており、国立がん研究センターを始めとする多くの機関・企業が研究を重ねているようです。
- 税込料金:16,000円〜69,300円
- 検査可能ながん種別:膵臓がん、食道がん、乳がん、卵巣がん、大腸がん、肺がん、胃がん
- 利用方法:尿を採取して検査機関へ郵送
- 検査に要する期間:検体提出から一ヶ月以内
マイシグナルスキャンは他のがん検査キットに比べてやや高額なので、コストを抑えたい場合はリーズナブルな「マイシグナルライト」などもおすすめです。
ただ、安価なタイプはがん種別を特定できないケースもあるので、事前にしっかり仕様を確認しておきましょう。
参照:尿のマイクロRNAをAIで解析 がんリスク検査|miSignalスキャン
がん検査キット④SalivaChecker
唾液だけで6種類のがんリスクが判定できるSalivaCheckerなら、採尿・採血より手軽に取り組めるでしょう。
すでに3万人以上の利用実績があり、医療機関で購入すれば専門家のアドバイスを受けながら実施が可能です。
- 税込料金:26,400円
- 検査可能ながん種別:胃がん・肺がん・膵臓がん・口腔がん・大腸がん・乳がん
- 利用方法:専用容器で唾液を採取して検査機関へ郵送
- 検査に要する期間:検査実施日より約2~3週間
もちろん、個人でも購入できますが、医療機関を検討する場合は公式サイトで最寄りの販売拠点をチェックしてみてください。
参考:部位ごとにわかるがんリスク検査|SalivaChecker
がん検査キット⑤ketsuken
ketsukenは肺がんやその他のがん種別だけでなく、肝硬変などのリスクも調べられます。
- 税込料金:20,460円
- 対応している癌種別:乳がん、卵巣がん、子宮がん、 大腸がん、肺がん、子宮筋腫、子宮内膜症、肝硬変、肝炎、胆石症 など
- 利用方法:専用器具で少量の血液を採取後に検査機関へ郵送
- 検査期間:検体提出から約1週間〜10日程
がん検査キットはAmazonなどで販売されているので、購入する際も比較的わかりやすいのではないでしょうか。
肺がん検査キットの精度は100%ではない
肺がん検査キットは数多くの種類が販売されており、いずれも高い検査精度を誇ります。
しかし、同時に100%の確実性を保証しているがん検査キットは存在しないため、検査結果をそのまま鵜呑みにするのはおすすめできません。
とはいえ、定期的に受検することで早期発見の確率は飛躍的に高まります。
通常のがん検診と並行して多角的に癌のリスクを調べるようにしましょう。
肺がん検査キットで低リスクがでたら
肺がん検査キットは少なからず偽陽性・偽陰性となる可能性もゼロではありません。
そのため、仮に低リスク判定が出たとしても、肺がん特有の以下の症状が見受けられる場合は、医療機関での検診を受けるのがおすすめです。
- 咳や痰
- 血痰
- 息苦しさ
- 胸痛 など
ただ、肺がんは初期症状が発現しないケースもあります。
普段からタバコを喫煙しているなど、少しでも不安な要素があるなら、リスクの程度に関わらず医師に相談してみてください。
記事のまとめ
肺がんは罹患数が多いだけでなく、ある程度進行すると5年生存率が著しく低下する性質を持っています。
特に、小細胞肺がんはステージ1の段階から5年生存率が50%を下回るため、がん検査キットを定期的に受検し、早期発見に努めるべきでしょう。
しかし、いずれのがん検査キットも100%の精度を保証しているわけではありません。
医療機関でのがん検診も念頭に置き、実際の症状や生活習慣から総合的に判断してみてください。
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