がん検査
唾液がん検査とは?気になる精度や費用と保険適用、メリットを徹底解説
唾液がん検査とは?気になる精度や費用と保険適用、メリットを徹底解説
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がん検査に抵抗があるなら、唾液で健康チェックを始めよう

がんは早期発見・早期治療が何より大切です。

しかし、定期的な検査となると、「痛みが怖い」「時間が取れない」「費用が気になる」など、様々な理由で二の足を踏んでしまう方も多いのではないでしょうか。

そんな中で注目を集めているのが、唾液を使った新しいがん検査です。

唾液を採取するだけの簡単な検査で、複数のがんのリスクを同時に評価できるという画期的な技術です。

この記事では、唾液がん検査の仕組みから費用、そして従来の検査方法との違いまで、気になる情報を詳しくご紹介していきます。

参考:だ液でがんリスク検査 サリバチェッカー|株式会社サリバテック 

唾液がん検査とは?

唾液がん検査とは?

唾液がん検査とは、唾液サンプルを用いて複数のがんのリスクを非侵襲的に評価する革新的ながん検査方法です。

代表的な検査として「サリバチェッカー」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

サリバチェッカーは、慶應義塾大学先端生命科学研究所の研究成果をもとに開発された唾液がん検査キットです。

検査の原理

唾液は「身体の鏡」とも呼ばれ、私たちの健康状態を映し出す様々な情報が含まれています。

血液検査や尿検査と同じように、唾液からも体の状態を知ることができるのです。

がん細胞から出される特殊な物質(代謝物質)は、血管を通って唾液に染み出してきます。

唾液がん検査は、それを検出することでがんのリスクを評価する仕組みです。

また、従来のがん検査と違って痛みを伴わず、唾液を採取するだけという手軽さも、唾液がん検査の大きな特徴となっています。

検査の仕組み

唾液採取 専用のキットを使用して、約0.1mL以上の唾液を採取します
成分分析 採取された唾液は、液体クロマトグラフィー質量分析機(LC/MS)を用いて高精度に分析されます
AI解析 分析結果は、人工知能(AI)を活用して解析されます
リスク評価 各がん種について、現在のリスクレベルが評価されます

先述した通り、唾液がん検査の一番の特徴は、痛みがなく、短時間で簡単に行えることです。

また、従来の検査では見つけにくかった早期のがんリスクを評価できる可能性もあり、早期発見・早期治療への道を開くものとして期待されています。

ただし、唾液がん検査はあくまでもスクリーニング検査であり、がんの確定診断を行うものではありません。

そのため、検査結果に基づいて、必要に応じて詳しい検査や専門医の診察を受けることをおすすめします。

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唾液がん検査で分かるがんの種類と精度

唾液がん検査で分かるがんの種類と精度

唾液がん検査は、複数のがん種のリスクを同時に評価できる新しいがん検査の方法です。

ここでは、サリバチェッカーで評価可能ながんの種類と、その精度について詳しく見ていきましょう。

検査対象のがん種

サリバチェッカーで評価可能ながんの種類は以下の6種類です。

  1. 肺がん
  2. すい臓がん
  3. 大腸がん
  4. 乳がん(女性のみ)
  5. 口腔がん
  6. 胃がん

これらのがん種はいずれも、日本人の発症頻度が比較的高い悪性腫瘍であり、早期発見・早期治療が重要です。

特に肺がんと大腸がんは、日本人のがんによる死亡原因の上位を占めており、すい臓がんは発見が遅れると予後が厳しいことで知られています。

また、女性の乳がんは年々増加傾向にあり、40代後半から50代での発症が多いとされています。

検査の精度

唾液がん検査の特徴はよくおわかりいただけたと思います。

でも実際のところ、その精度はどのようなものなのでしょうか?

ここでは、唾液がん検査の精度について紹介していきます。

早期発見の可能性

サリバチェッカーは、従来の診断法では見つけにくい初期段階のがん、特に膵がんのステージ1でも陽性を示すことが明らかになっています。

高精度な分析

液体クロマトグラフィー質量分析機(LC/MS)を用いた高精度な分析と、AIによる解析により、精度の高いリスク評価が可能です。

継続的な研究と改善

唾液を使った検査であるため、採取が適切でないと正確な値が得られない等の課題もあります。

今後さらに研究を進め、精度を高めていく段階にあるということに理解が必要でしょう。

唾液がん検査は、簡便で非侵襲的な方法でがんのリスクを評価できる画期的な技術ですが、あくまでもスクリーニング検査の一つとして位置づけられています。

高リスクと判定された場合は、必ず専門医による精密検査を受けることが重要です。

また、定期的に検査を受けることで、がんの早期発見・早期治療につながる可能性が高まることは確かですので、健康管理の一環としての活用をおすすめします。

従来のがん検診とはどう違う?【メリット・デメリット】

従来のがん検診とはどう違う?【メリット・デメリット】

唾液がん検査は、従来のがん検診と比較していくつかの重要な違いがあります。

これらの違いをもとに、唾液がん検査のメリットとデメリットを探っていきましょう。

非侵襲性で痛くない

血液によるがん検査では、採血時に針を刺す痛みがあります。

採血時の針の痛みは一時的なものではありますが、中には強い不安や恐怖を感じる方もいるでしょう。

内視鏡検査、特に大腸内視鏡検査は、血液検査よりもさらに大きな負担となる場合もあります。

技術の進歩で負担が減ってきているとはいえ、スコープを挿入する際や、腸を広げる時の強い痛みや圧迫感は不快なものです。

そんな従来の検査方法に比べ、唾液がん検査は体を傷つけることなく、痛みもなく検査できるため、身体的・精神的な負担が格段に少ないのです。

がんの早期発見のためには定期的に検査をすることが重要ですので、このメリットは特に重要な意味を持つものといえるでしょう。

従来のがん検査よりも圧倒的に簡便

血液採取や内視鏡検査などの従来のがん検査は、身体的負担だけでなく時間も要します。

一方、唾液がん検査は数滴の唾液を採取するだけで済むため、短時間で簡単に実施できます。

これにより、忙しい人やがん検査に対する不安を持つ人でも気軽に受けることができます。

唾液がん検査は複数のがん種を同時に評価できる

従来のがん検査では、各がん種に対して個別の検査が必要でした。

唾液がん検査では1回の検査で肺がん、膵がん、大腸がん、乳がん、口腔がんなど、複数のがん種のリスクを同時に評価できます。

あくまでもスクリーニング検査

唾液がん検査は、従来の検査では見逃される可能性のある早期段階のがんも検出できる可能性がありますが、確定診断ではありません。

そのため、唾液がん検査で高リスクと判定された場合は、従来の方法による精密検査を受ける必要があります。

つまり、唾液がん検査は従来の検査を補完するものであり、より包括的ながん検診プログラムの一部として認識しておくのが良いでしょう。

従来のがん検査にはない大きなメリットがある一方で、スクリーニング検査としての限界も理解した上で利用することが重要です。

実績と臨床データがほかに比べて乏しい

唾液がん検査は比較的新しい技術であるため、従来の検査方法と比べて長期的な実績や大規模な臨床データが限られています。

しかし、その基礎となる研究は国際的な学術誌に多数掲載されており、科学的根拠に基づいた検査方法です。

今後、さらなる研究と臨床データの蓄積により、精度と信頼性の向上が期待されています。

唾液がん検査の受け方

唾液がん検査の受け方

唾液がん検査は、その簡便性から自宅でも医療機関でも受けることができます。

自宅での検査と医療機関での検査のどちらの方法でも、唾液サンプルを採取し、専門の検査機関で分析されるプロセスは同じです。

以下では、自宅での検査キットの使用と医療機関での検査について詳しく説明します。

がん検査キットで自宅で採取

自宅での唾液がん検査は、専用のキットを使用して行います。

  1. 唾液がん検査キットの入手:オンラインストアや一部の薬局で購入できます。
  2. 唾液の採取:キットの説明書に従って、約0.1mL以上の唾液を採取します。
  3. サンプルの送付:採取した唾液サンプルを専用の容器に入れ、指定の検査機関に郵送します。
  4. 結果の受け取り:通常、1〜2週間程度で結果が郵送またはオンラインで通知されます。

自宅での検査は、プライバシーを守りながら、時間や場所の縛りなく実施できる利点があります。

医療機関で検査を受ける

医療機関での唾液がん検査は、以下のような流れで行われます。

  1. 予約:唾液がん検査を実施している医療機関に予約を取ります。
  2. 問診:医師による問診が行われ、検査の目的や方法について説明を受けます。
  3. 唾液採取:医療スタッフの指示に従って唾液を採取します。
  4. 結果説明:結果が出たら、医師から直接説明を受けることができます。

医療機関での検査は、専門家のサポートを受けられる点や、結果に基づいて即座に追加の検査や治療計画を立てられる点がメリットです。

費用相場と保険適用の有無について

費用相場と保険適用の有無について

がんの早期発見において革新的な可能性を秘めた唾液がん検査ですが、多くの方が気になるのが費用の問題ではないでしょうか。

まず、唾液がん検査は健康保険の適用外のため全額自己負担となります。

なお、検査方法や受ける場所によって費用は異なってきます。

ここでは、医療機関での検査費用や自宅での検査キット購入など、具体的な費用相場と保険適用に関する最新情報をチェックしていきましょう。

医療機関での検査費用

医療機関でサリバチェッカーを受ける場合の費用相場は23,000円〜29,000円程度です。

実際の費用は各医療機関によって異なり、一部の医療機関では、初診料や問診料が別途かかる場合もあるため、受診前に詳細を確認することが重要です。

個人で購入する場合の費用

個人でサリバチェッカーを購入する場合、公式サイトでの価格は以下の通りです。

  • 単品購入:29,800円(税込)
  • 定期購入:26,800円(税込)

自宅で検査を行う場合は、医療機関での受診よりもやや高額になることがわかります。

定期購入を選択すると、単品購入よりも割安になりますが、継続的な費用負担を考慮する必要があります。

また、検査キットを自分で購入して自宅で検査する場合には、検査結果の解釈や追加の医療相談が必要な場合の対応など、考慮すべき点もあるでしょう。

保険適用の有無

先述した通り、サリバチェッカーは現在のところ自由診療となっており、健康保険は適用されません。

そのため、検査にかかる費用は全額自己負担となります。

ただし、サリバチェッカーは1回の検査で6種類のがんのリスクを同時に評価できます。

個別に各がん種の検査を受ける場合と比較すると、全額自己負担だとしてもかなりコスパの良い選択肢といえるかもしれません。

他のがん検診の費用と比較

一般的ながん検診の費用は以下の通りです。

  • 子宮頸がん検診:無料〜5,000円程度
  • 乳がん検診:無料〜5,000円程度
  • 大腸がん検診:無料〜2,000円程度
  • 肺がん検診:無料〜4,500円程度

自治体や健康保険組合では、がん検診に対して補助を行っているケースが多く、サリバチェッカーと比べるとかなり費用を抑えて受診できます。

特に40歳以上の方であれば、特定健康診査(いわゆるメタボ健診)の一環として、様々ながん検診を含む総合的な健康チェックが可能です。

費用も自治体によって異なりますが、無料から数千円程度と手頃な価格に設定されています。

ただし、一般的ながん検診とサリバチェッカーでは、検査方法や対象となるがんの種類が異なります。

検査の頻度や精度なども違ってきます。

サリバチェッカーは、通常の検診では見つけにくい早期段階のがんのリスクを評価できる可能性があるため、既存の検診と組み合わせることで、より網羅的ながん検診が可能になるかもしれません。

確かに唾液がん検査は費用面で負担に感じる方もいらっしゃるでしょう。

しかし、体への負担がなく、複数のがんのリスクを一度に評価できるという特徴を考えると、健康管理の有効な手段の一つといえます。

とはいえ、現時点では保険適用外の検査です。

ご自身の健康状態やリスク要因、経済的な事情なども含めて総合的に検討し、できれば医療専門家に相談した上で検査を受けるかどうか判断することをおすすめします。

記事のまとめ

記事のまとめ

がんは日本人の死因の第一位であり、年々増加傾向にあります。

そのため、定期的な検査による早期発見が、私たちの命を守る重要な鍵となります。

唾液がん検査は、体への負担が少なく、複数のがんのリスクを一度に評価できる革新的な技術として期待されています。

確かに、費用面での課題はありますが、がんが進行してからの治療にかかる費用や、何より命の危険を考えれば、予防的な健康投資として検討する価値は十分にあるでしょう。

大切なのは、この検査を既存のがん検診と組み合わせながら、自分に合った検診プログラムを作り上げていくことです。

ご自身やご家族の健康を守るため、まずは医療専門家に相談してみることをおすすめします。

がん検査の方法は日々進化していきます。

その中から自分に合ったものを選び、定期的に受診する習慣を身につけることが、健やかな人生を送るための第一歩となるはずです。

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