コロナの抗原検査キットが無効になる原因と無駄にしないための正しい使い方
新型コロナウイルスの抗原検査キットの正しい使い方、知っていますか?
実は、ちょっとしたミスで検査結果が無効になってしまうことがあります。せっかく検査するなら、正確な結果を知りたいですよね。
この記事では、抗原検査キットが無効になる原因と、正しい結果を知るためのコツをわかりやすく解説します。
- コントロールラインが出ないのはなぜ?
- 次は失敗したくないんだけど、なんで今回は無効になったんだろう?
- 長く放置していた検査キットは無効にならずに使用できる?
自宅での検査をよりスムーズに行うためのヒントが満載ですので、このような疑問をお持ちの方はぜひ参考にしてみてください。
コントロールライン(C)が出ない場合は必ず無効
コントロールラインは、検査キットが正しく機能していることを確認するためのラインです。
このラインが出ないということは、検査キット自体に問題があったり、検査の手順が正しく行われていなかったりといった理由で、検査が無効だったという意味になります。
コントロールラインが出ない場合、たとえ判定ライン(T)に反応が見られても、その結果は信頼できないということを覚えておきましょう。
コントロールラインが出ず、検査が無効となってしまった場合には再検査が必要です。
判定ライン(T)の見方とは?どうなったら陽性・陰性?
判定ライン(Tライン)は、検査対象となる物質(ウイルス抗原)が検出されたときに現れるラインです。
判定ラインが出た場合は、陽性と考えるのが一般的です。
- Tラインが見える → 陽性
- Tラインが見えない → 陰性
- うっすらでも見える場合は陽性
ここで覚えておいてほしいのは、その線の濃さが薄くても、判定ラインが出ていれば「陽性」ということです。
なお、判定ラインの濃さによって検出された物質の量が多いか少ないかが推測できる場合もありますが、これは検査キットの種類によって異なります。
無効を防ぐためにはもちろんですが、正しく結果を判断するためにも、検査キットを使用する前には必ず説明書を確認しましょう。
検体(鼻腔ぬぐい液や唾液)の採取量が足りず、無効になってしまうケースが多い
抗原検査キットの結果が無効になってしまうケースの中で、最も多いことの1つが、検体量の不足です。
適切な検査結果を得るためには、正しい量の検体を採取する必要があります。
検体採取用スティックの綿球や綿棒が十分に濡れていないと、ウイルスを検出するために必要な量が確保できず、無効になってしまうのです。
綿棒に付着するウイルス量は、検体である鼻腔ぬぐい液や唾液の量に比例します。
つまり、液量が少なすぎると、検体中のウイルス濃度が薄まり、検査キットの検出限界を下回ってしまいます。
結果として無効になってしまう可能性があるため、十分な検体量で検査キットを使用しましょう。
鼻腔ぬぐい液の採取方法
鼻腔ぬぐい液の採取の一般的な手順は以下の通りです。
- キットに付属している綿棒を取り出します。
- 綿棒を鼻腔に挿入します。深さは製品によって異なりますが、通常は数センチ程度です。説明書をよく読んで、適切な深さまで挿入してください。
- 鼻腔内に挿入した綿棒を数回回転させ、鼻粘膜にしっかりと接触させます。これにより、ウイルスを含む分泌物を綿棒に付着させることができます。
- 数秒間静置することで、綿棒に十分な量の分泌液が付着します。
- 綿棒をゆっくりと引き抜きます。
- 採取した検体を、キットに付属している試験管やチューブに移し替えます。
鼻腔ぬぐい液を採取する際の注意点
- 鼻腔への挿入深さは、痛みを感じないように注意しながら、説明書に記載されている深さを守ってください。
- 綿棒を回転させる際は、鼻粘膜を傷つけないように優しく行いましょう。
- 採取する際は、清潔な環境で行い、綿棒が他の物に触れないように注意してください。
唾液の採取方法
唾液の採取は、鼻腔ぬぐい液に比べて簡単です。
検査キットを口に咥えるタイプのものもありますが、ここでは唾液を容器に吐き出して摂取するタイプの検査キットの一般的な使い方を紹介します。
- キットに付属している唾液採取用の容器を用意します。
- 口の中を清潔にするため、水で口をすすぎます。
- 唾液を分泌させ、容器に吐き出します。
- 容器に記載されている規定量まで唾液を吐き出します。
- 容器の蓋をしっかりと閉めます。
唾液を採取する際の注意点
- 唾液が十分に出ない場合は、数回深呼吸をしたり、酸味の強いものを想像したりすることで、唾液の分泌を促すことができます。
- 歯磨きやマウスウォッシュ後はすぐに検査しないでください。
- 唾液を採取した後、すぐに検査を行うか、キットに記載されている時間内に検査を開始してください。
抗原検査キットが無効になる主な原因と対策
感染の有無をその場でチェックできる非常に便利な抗原検査キットですが、正しく使用しないと正確な結果を得ることができません。
先述した「検体量不足」以外で、検査結果が無効になってしまう主な原因としては、以下のようなことが挙げられます。
- 試薬の量が少なすぎる・多すぎる
- 検査手順にミスがあった
- 検査キット自体の品質が劣化している
このようなことを起こさないための対策も詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
試薬の量が少なすぎる・多すぎる
試薬とは、この検査キットの場合、ウイルスの抗原を検出するための特殊な化学物質のことです。
検体と反応させることで、ウイルスの有無を判定できるようにする重要な役割を持っています。
この試薬の量が少なすぎると、反応がうまく起こらず、検査キットが無効になる可能性があります。
逆に、試薬を多く滴下しても感度は上昇しません。多すぎても無効になってしまうことがあるのです。
多くの抗原検査キットでは、試薬の滴下量は2滴(約20μL)と指定されています。
ただし、製品によって試薬の適量は異なります。
使用前に説明書をしっかり読み、指定された量を守ることで、無効化を防ぎましょう。
検査手順にミスがあった
説明書記載の検査手順で正しく検査キットを使用できておらず、検査キットが無効になるケースもあります。
検査キットが無効になる可能性がある手順ミスの例として、以下のようなことが挙げられます。
- 単純に手順を間違えた
- 他の物質が混入してしまった
- 開封から時間がたちすぎた
- 判定時間が早すぎたり遅すぎたりした
このような手順ミスが起こらないよう、説明書をよく読み、手順を正しく守りましょう。
検査キット自体の品質が劣化している
抗原検査キットを高温多湿な場所や直射日光の当たる場所に保管すると、試薬の品質が劣化し、無効となってしまうことがあります。
検査キットの品質が劣化してしまう原因は様々です。
以下に例を挙げていきますので、家にあった検査キットを使用しようと思っている方や、これから検査キットを購入する方はぜひ参考にしてください。
適切な温度で保管できていない
検査キットの適切な保管温度は2度から30度です。
この範囲外の温度で保管すると、検査キットの性能が悪くなり、無効になってしまう可能性があります。
また、偽陰性や偽陽性の判定が出てしまうことも。
- 冷蔵庫内や暖房のない寒い部屋での保管は、キットの反応を遅らせ、「偽陰性」の結果を招く可能性があります。
- 真夏に高温の場所に放置されたキットを使用すると、「偽陽性」の結果が出る可能性があります。
検査キットは適切な温度で保管するよう心がけましょう。
使用期限を過ぎている
検査キットには使用期限があり、これを過ぎると正確な結果が得られない可能性が高くなります。
抗原検査キットの使用期限は、製造日から2年(24ヶ月)程度とされているものが多いです。
ただし、これはあくまで一般的な目安であり、具体的な期限は製品によって異なる場合があります。
キット外箱の側面や、テストカセットの密閉袋の裏面などに使用期限が書いてあるケースが多いので一度確認してみてください。
取り扱いに注意すれば無効化はある程度防げる!
検査キットを開封後に長期間放置したり、湿気にさらすなどの取り扱いも、無効になってしまう原因となります。
以下を参考に、検査キットは適切に取り扱いましょう。
- 使用時のみ開封:検査を行う直前にアルミ袋を開封しましょう。
- 室温に戻してから使用:冷蔵保管した場合は、使用の15分前に室温に戻してからアルミ袋を開けます。
- 開けたらすぐに使う:アルミ袋を開けたら、判定まで続けて行います。急な用事が入った場合でも、カセットを袋から出して放置することは避けてください。
- 保存温度に注意:先述した通り、検査キットは2〜30°Cの温度範囲で保管します。夏場は冷蔵庫内での保管がおすすめです。
上記のように保管することで、抗原検査キットが無効になってしまう可能性をぐっと下げることができます。
あとは説明書を読み、手順に従って検査をするだけです。
記事のまとめ
新型コロナウイルスの抗原検査キットは、自宅で手軽に感染の有無を調べられる便利なツールですが、使い方を間違えてしまうと、検査結果が無効になってしまうことがあります。
この記事では、抗原検査キットがなぜ無効になってしまうのか、そして正確な結果を得るために大切なことを解説しました。
各検査キットに付属している説明書には、詳しい使用方法が記載されています。必ず確認し、手順通りに行いましょう。
もし検査結果に不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
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